どうも。
旅するようにゆるりと生きる、けーたです。
ノープラン、ノーアイデアで集まった僕等もここまで壮大な旅をすることになるとは思っていなかった。壮大というのもいささか大袈裟かもしれないが、
高揚する胸の高鳴りは、非日常な体験をしているようで常に高揚していた。
モリアオガエルをモチーフにデザインされたスロープカーに乗りながら、ダム広場を目指す。観覧車のような内部だが、乗り心地はとても良い。
季節や時間的なタイミングもあるのかもしれないが、
楽々と座席に座ることができて、ほぼ貸切の状態だった。
ダム広場に寄港していたのは、悠々と佇むファンタジア号。
東南アジアでよく見かける川を渡るフェリーのような外観は、どうもこの湖にマッチングしない感じだが、近くまで行くと、もはやそんな細かい価値観はどうでもよくなった。
とにかく乗りたい。そして、船内を駆け回りたい。
心が子どものように無邪気すぎるのか、これが僕の眠っていた感情なのか知らないが、そんな僕を見つめる二人の視線は冷たかった。
こちらはファンタジア号2階観覧席だ。
ピンク色の椅子と昭和なレトロ感を演出している照明や壁紙が外の景色とうまくマッチングして優雅な雰囲気を漂わせている様にみえる。
出発まで船内を散策しよう。
この階段を駆け上がれば、デッキからの絶景を拝められるというわけだ。
ほぼ貸切だから、誰もいないだろうと勇み足で駆け上がる。
中学生くらいの少年が目を輝かせて遠くを眺めていた光景を目の当たりにして、
急に負けたという意味もわからない敗北感を味わった記憶が懐かしい。
波が穏やかで、緑はとても青々しく見えた。
意味も無く多国籍の国旗が並んでいて、あたかも異国情緒を醸し出すこの船のデザイナーに少しは共感できるようになってきた自分がいた。
昔から国旗が好きで、地球儀を眺めながら妄想だけで何時間も過ごした時が懐かしい。今でもきっと、国旗好きな断片が見え隠れしているのかもしれない。
国旗を見ると抑えきれない衝動がある。
船に乗ったら、万が一に備えて救急設備の場所や使用方法なんかもザックリと頭の中にしまい込んでおくといいだろう。
おそらく、今回乗った乗客で私のように救急第一に考えていた人間はいなかったのではなかろうか。
とまぁ、偉そうなことを抜かしてしてるが、この船なんと300名も収容できるのだ。そんなに乗るのか、この船・・・。
万が一、船が沈むようなことがあった場合はこの救急いかだを使うこと。
実はかなり泳げる僕ですが、衣類を着ていたり、咄嗟のハプニングになってしまうと人間の思考回路も体もうまく働かないものです。
そんな時に、この救急いかだはとても有能で役に立ちます。
ぜひ活用しましょう。
船が進んでいないとデッキの上は無風で太陽の照り返しが半端ない。
どんなにワクワクしている大人でも、このように冷房の効いたキャビン(船室)でまったりと寛ぎたくなるものだ。
写真からは豪華客船にしか見えないのは僕だけではないはずだ。
そんなこんなで、汽笛が鳴り始め、僕等の旅路が幕を開けた。