
長らく停滞していた日本人の海外旅行、いわゆる「アウトバウンド市場」ですが、2026年を境に大きな転換点を迎えようとしています。
その大きなきっかけの一つが、パスポート取得料の引き下げです。
これまで日本の観光業は「インバウンド偏重」とも言える状況でしたが、今後はそのバランスが大きく変わり、日本人が再び海外へ目を向ける流れが加速すると考えられます。
1. パスポート取得料は「心理的な壁」だった
日本人の海外旅行離れが進んだ理由の一つに、「円安」や「物価高」だけでなく、パスポート取得のハードルがありました。
特に若年層や子育て世代にとって、家族全員分のパスポート費用は決して軽い負担ではありません。
今回の取得料引き下げは、単なる金額の問題以上に、
「海外に行ってもいいかもしれない」という心理的ハードルを大きく下げる効果があります。
2. コロナ世代が動き出すタイミング
2020年以降、学生時代や社会人初期をコロナ禍で過ごした世代は、
「一度も海外に行ったことがない」「修学旅行や卒業旅行がなかった」人も多く存在します。
この世代が2026年頃から、時間・収入・自由度を持ち始めることで、
「初めての海外旅行」需要が一気に顕在化する可能性があります。
パスポート取得のハードルが下がることは、この動きを後押しする極めて重要な要素です。
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3. 円安でも「海外の方が満足度が高い」現象
一見すると円安は海外旅行の逆風に思えます。
しかし実際には、以下のような声が増えています。
- 国内旅行の宿泊費が高騰しすぎている
- インバウンドで観光地が混雑し、満足度が下がった
- 多少高くても「非日常」を味わいたい
結果として、「同じ金額を使うなら海外の方が体験価値が高い」と考える層が確実に増えています。
4. インバウンド偏重の反動
日本国内ではインバウンド需要の急増により、
宿泊費の高騰、観光地の混雑、マナー問題などが深刻化しています。
その影響で、日本人旅行者が「国内旅行から距離を置く」動きも出始めています。
この反動として、アウトバウンド需要が回復するのは自然な流れと言えるでしょう。
5. SNS時代の「海外旅行欲」の再燃
InstagramやYouTube、TikTokでは、海外旅行のリアルな体験が日常的に共有されています。
物価情報や治安、現地の雰囲気まで可視化されることで、海外旅行は以前よりも身近な存在になりました。
「思っていたより行けそう」「意外と安い」という認識が広がる中で、
パスポート取得料の引き下げは、最後の一押しとなります。
6. 2026年は「外に出る日本人」が増える年に
これらの要因が重なり、2026年はアウトバウンド回復ではなく「ブーム」と呼べる段階に入る可能性があります。
特に以下のような動きが予想されます。
- 近距離アジア(韓国・台湾・東南アジア)への短期旅行増加
- 円安でも満足度の高い国への需要集中
- 個人手配・自由旅行スタイルの拡大
まとめ|観光の主役は再び「日本人旅行者」へ
これまで続いたインバウンド一辺倒の流れは、少しずつ変わり始めています。
パスポート取得料の引き下げは、その象徴的な出来事です。
2026年以降、日本人が再び世界へ目を向けることで、
観光の主役は「受け入れる側」から「旅に出る側」へと移っていくでしょう。
アウトバウンドの回復は、日本人の価値観やライフスタイルの変化を映す鏡でもあります。
次に盛り上がるのは、「外へ出る日本人」の時代なのかもしれません。

