
こんにちは。
今回は、近年ニュースでも話題になることの多い「レアアース(希土類)」について、経済の視点からわかりやすく解説します。
スマートフォンやEV(電気自動車)、風力発電機など、**現代のテクノロジーを支える“縁の下の力持ち”**とも言えるのがレアアースです。
投資の世界でも、注目すべきテーマの一つになっています。
■ レアアースとは?
「レアアース(Rare Earth)」とは、日本語で「希土類元素」と呼ばれる17種類の金属元素の総称です。
例えば以下のようなものが含まれます:
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ネオジム(Nd)
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ディスプロシウム(Dy)
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セリウム(Ce)
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ランタン(La)
などです。
名前に「レア(希少)」とありますが、実は地球上に全くないわけではありません。
ただし、採掘・精製が難しく、偏在しているため、「戦略資源」として扱われているのです。
■ レアアースの主な用途
レアアースは私たちの身近な製品の中にも多く使われています。
| 分野 | 具体例 | 使用されるレアアース |
|---|---|---|
| 電気自動車(EV) | モーター磁石 | ネオジム、ディスプロシウム |
| スマートフォン | カメラ・スピーカー | ネオジム、サマリウム |
| 風力発電機 | 発電用磁石 | ネオジム、テルビウム |
| ディスプレイ | 発色材 | イットリウム、ユウロピウム |
| 触媒 | 排ガス浄化 | セリウム、ランタン |
つまり、脱炭素社会やデジタル化の進展とともに、需要が伸び続けている素材というわけです。
■ レアアース市場の現状と課題
① 中国が世界生産の約7割を占める
世界のレアアース生産量の約70%以上を中国が占める状況が続いています。
そのため、**地政学的リスク(輸出制限や価格操作)**が大きな懸念材料となります。
② 代替資源やリサイクル技術の研究が進む
アメリカ・オーストラリア・日本などでは、リサイクル技術や代替材料の研究開発が進められています。
これにより、将来的には供給の安定化が期待されています。
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■ レアアース関連の注目銘柄(2025年版)
ここでは、投資初心者にもわかりやすいように、世界的に注目されている企業をピックアップします。
★ 1. ライナス・レアアース(Lynas Rare Earths Ltd/豪州)
オーストラリアに拠点を置く世界最大級の非中国系レアアース企業。
マレーシアに精製プラントを持ち、中国依存を減らす動きの中心的存在です。
➡ ASX: LYC
★ 2. MPマテリアルズ(MP Materials Corp/米国)
アメリカ・カリフォルニア州の「マウンテンパス鉱山」を運営する企業。
米政府の支援を受けて、北米でのレアアース自給体制構築を進めています。
➡ NYSE: MP
★ 3. 住友金属鉱山(5713/日本)
日本国内では、レアアースのリサイクルや代替素材研究に積極的。
EV関連素材の製造でも注目されており、「安定供給×環境対応」の両面で強みを持ちます。
➡ 東証プライム: 5713
★ 4. イーレックス(9517/日本)
バイオマス発電で知られる企業ですが、再エネ+レアアースの資源循環プロジェクトにも参加しています。
将来的にクリーンテック関連で注目される可能性があります。
■ 投資のポイントと注意点
レアアース関連銘柄は、「資源価格」や「国際関係」に大きく左右される点が特徴です。
価格の急変動もあるため、
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分散投資を心がける
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ETF(例:REMXなど)を活用する
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長期的なトレンドで判断する
といった姿勢が大切です。
■ まとめ:未来のエネルギーを支える戦略資源に注目
レアアースは、EVや再生可能エネルギー、AIなど、次世代産業の“要”となる素材です。
その供給構造が世界的に注目されている今、関連銘柄を理解しておくことは投資家にとって重要です。
価格変動リスクを理解したうえで、長期的な成長テーマとして注目してみてはいかがでしょうか。


