気候変動によって、農作物の収穫量や産地に変化が生じる可能性が指摘されています。経済への影響の見通しについて調べてみました。
はじめに
気候変動が農業分野に及ぼす影響を研究するプロジェクトの一環で、主要作物のコメを対象に、経済的な影響額を分析した。
分析にあたっては、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が2007年にまとめた第4次報告書のうち、21世紀末の気温上昇を1.7~4.4度と予測した、気候変動の影響を「中程度」とするシナリオを前提とした。コメのほか、小麦などほかに関連する市場の変動も考慮し、数百種類の方程式を解いて、影響額を算出した。
豊作貧乏
まず、コメの収穫量は毎年変動するものの、平均気温の上昇で、傾向としては日本全体で増加するとみられる。人口減の影響もあって消費量は増えないと考えられるため、需要に比べて供給が多い状態になる。そうすると、コメの価格は全体的に下がり、農家はいわゆる「豊作貧乏」に陥り、農業所得が減少してしまう。
農業所得の試算
農業所得は、収穫量のほか、品質の低下、洪水被害や長雨の増加などの影響も受ける。これらを踏まえると、気候変動が生じた場合の農業所得は、生じない場合に比べ、2040年までは年平均165億円、41年~70年では同221億円、71~2100年では同203億円少なくなると見込まれる。
農業所得総額に対する割合からすればマイナス幅はさほど大きくないが、これはコメを中心に計算した額であり、ほかの作物も気候変動の影響を受けるとなれば、農業所得への影響はこれにとどまらない。
農家の所得が下がれば、各地の地域経済に影響を及ぼしかねない。今後は、各地の収穫量の予測などを踏まえ、東北や九州など地域別の影響額を分析していくのも面白いかもしれない。
まとめ
今回の分析では、気候変動の影響を軽減する品種改良などの「適応策」は考慮していない。例えば高温に強く、消費者が積極的に買いたくなるようなおいしいコメができれば、経済的なマイナスの影響を少なくできる可能性がある。
農業分野では、温州ミカンやリンゴなどの栽培適地が北上したり、牛の乳量が低下したりするなどの影響が出る可能性も懸念されている。コメ以外の作物や畜産などの影響額についても分析を進めて行くべきだ。
適地適作が進行し、地球温暖化にうまく順応できる切り替えができれば農業所得の増加へと進む可能性も十分ありえる。
ぼくらがあれこれ考えている間にも地球温暖化は着々と進行している。
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