はじめに
2015年4月の首相官邸での落下事件をキッカケに、一躍世間にその名を轟かせた小型無人機「ドローン」。
様々な分野で活用が広がり「成長市場」と期待される一方で、テロなどへの悪用を懸念する声も根強い。現在は、監視型や宅配型、写真撮影などが主な目的となっているが、将来的には人が乗り込み、空飛ぶ車へと進化を遂げるのではと想像が止まらない。
国内外でのドローンの現状と課題をまとめた。
GPS利用で自律飛行
「ドローン」の語源は、英語で「雄バチ」とか、ぶんぶんとハチが飛ぶ音を示す「drone」。回転翼の音が似ているからだ。
従来の無線操縦機の玩具などと違うのは、その操縦性。
全地球測位システム(GPS)を使い、センサーやコンピューターで姿勢や速度、方向を制御する「オートパイロット」を内蔵している。
高度な操作技術がなくても、GPSで自分の位置を確認しながら、いわば勝手に「自律飛行」してくれる。
スマホでも操作可能
機種によっては、スマートフォンの地図を使って飛行ルートを指定でき、自動操縦により1km以上離れた場所でも、数メートル以内の誤差で着陸させることも可能だ。
高さ数100mから数1000m以上まで飛ばせるものもある。
コンピューターの高性能化とともにドローンも小型化、低価格化が進行し、今では業務用の数100万円のものから、家電量販店で数千円で買えるものもある。
主な活用事例
① 国や地自治体など
災害現場での情報収集(立ち入り困難なトンネルやダムなど)
② 農業事業者
農薬散布
③ 警備会社
施設などでの侵入者追跡・顔写真撮影
④ 宅配会社
離島や中山間地域などでの買い物代行
⑤ 不動産会社
上空からの撮影による景観などを提示
⑥ 建設会社
上空撮影などによる作業効率化
海外の状況は??
アメリカでドローンを商用で飛ばす場合は、必ずアメリカ連邦航空局(FAA)の許可が必要となる。日本では国土交通省の許可が必要。
不動産業者による撮影や保険会社による事故現場の記録、報道用で主に活用されている。
2015年2月、小型の商用ドローンに関する新たな規制案を公表した。
それによると、17歳以上の免許制とし、2年ごとの免許更新が義務付けされた。
これに加えて、飛行条件についても厳しく規制されている。
ヨーロッパでも各国で規制
イギリス、フランス、ドイツなど各国が独自の規制を設けている。
イギリスでは、高さ約120m、水平方向に約500mと飛行条件を規定しており、目視できない範囲で飛ばすことは禁止される。
地続きで人やモノの交流が活発なヨーロッパだが、各国に共通する新たな規制を導入する動きも進む。
日本でのドローン禁止ルール
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 30m未満の飛行(一番多い!!!)
- イベント上空飛行
- 危険物輸送
- 物件投下
- 飲酒時の飛行禁止