そもそも公的年金とは?
果たしてぼくらの世代が定年を迎えたとき、年金は支給されるのか?それとも、支給年齢の引き上げまで生き延びれずに死んでしまうのか?
公的年金とは、職業を問わず20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する国民年金(基礎年金)と、サラリーマンなど雇われて働いている人が、国民年金に上乗せする形で加入する厚生年金の「2階建て」構造になっている。
実際にもらえるお金の額(受給額)は、加入していた年金の種類や期間などによって違う。さらに、職種によっても差が出てくる。
自営業の場合
自営業なら、国民年金となる。
収入の多い少ないにかかわらず一律の保険料を、20歳から40年間(480ヶ月分)すべて納め、65歳で受給し始めたときの基礎年金(満額)は、2015年度で6万5008円。
サラリーマンの場合
厚生年金は収入に応じた保険料を払うので、受給額も人によって様々。厚生労働省によると、基礎年金に上乗せされる「2階部分」は、平均的な収入で40年間務めたモデルケースで月約9万円。
つまり、基礎年金との合計では月約15~16万円になる。
お年寄りの年金と支出
月々の年金額と支出の関係をみてみると、仕事をしていない65歳以上の独り暮らし世帯の支出は、食費(約3万3000円)や住居費(約1万4000円)、光熱・水道費(約1万4000円)など、主に消費に関わるもので月約14万2000円。これに健康保険などの社会保険料や税金などを加えると、月約15万2000円。
これに、前述した公的年金をあてはめてみると、「衣」「食」「住」といった生活の基礎的な支出をまかなえる状態となる。
すべての人が満額受給できない
実際には、すべての国民に共通の基礎年金を満額受給できる人ばかりではない現実もある。
自営業者など、国民年金の保険料を自分で納める人の中には、経済的理由などで保険料を納付できなかった期間がある人もいる。
厚生労働省の調べでは、基礎年金しか受給する権利がない高齢者の場合、平均の年金額は5万円弱にとどまり、3万円に満たない人も約1割いた。
基礎的な部分を保障する
公的年金を受給している高齢者世帯の約6割は、公的年金以外に所得がないのが実情。
2016年度からは、少子高齢化に対応して、年金の伸びを抑制する仕組みも初めて適用された。公的年金は元来、「生活のすべてではなく、基礎的な部分を保障する」という考え方に基づいたもの。
まとめ
老後に自立した生活を送るためには、貯金など現役時代から築いた資産を活用したり、健康であれば何かしら仕事を続けて収入を得たりするといった個人の努力もまた、重要とされている。