はじめに
クリスマスが近づいてきました。街を歩くときれいに飾られたツリーが目に入ります。家に飾り、当日を楽しみに待つ人もいるでしょう。
毎年この時期になると不思議に思うことがあります。
クリスマスツリーはなぜ、飾るのか?
クリスマスはもともと、イエス・キリストが誕生したことを祝うキリスト教の行事ですが、ツリーの起源は古代ヨーロッパまでさかのぼります。
ゲルマン民族の祭り
当時、ヨーロッパに住んでいたゲルマン民族は冬になるとユールという冬至の祭りを行いました。
冬至とは、1年の中で最も昼が短く、夜が長い日です。
冬至を過ぎると昼が長くなっていくため、太陽の復活を祝って木を燃やしたり、ごちそうを食べたりしたのです。
そこで使われたのがカシの木で、これがツリーの起源とされています。
カシは1年中、緑の葉を付ける常緑樹。
冬でも葉を落とさないため「生命力の象徴」と考えられたのでしょう。
命の象徴として信仰
その後、ゲルマン民族は4世紀から5世紀ごろ、キリスト教を信じるようになっていきます。
ユールの風習も時間をかけてキリスト教の中に取り込まれました。
例えば中世のドイツでは、教会で行われたクリスマスの劇に「知恵の木」としてモミの木が使われたと伝えられています。
モミも常緑樹で「永遠の命」を表しています。
また、モミの木は横から見ると三角形なので「三位一体」というキリスト教の教えにつながると考えられたようです。
ツリーの飾りにも意味がある
ツリーの飾りにも意味があります。赤い球は「知恵の実」、リボンは「絆のシンボル」、ベルは「イエス誕生の喜びを告げるベル」といった具合です。
星は「キリストが生まれたことを知らせる星」。
雪は「ツリーの緑をより一層際立てるために」。
クリスマスツリーの風習は、ドイツからアメリカやイギリス、そして日本など世界へ広がっていきました。
ちなみに、日本で最初にクリスマスツリーを飾りはじめたのは明治時代だそうです。
こうやって見ると、ぼくらが何気なくクリスマスに見ているツリーは長い歴史があることがわかります。
まとめ
いつの間にか、私の家ではクリスマスツリーがどこへ片付けられたかもわからない状態です。もはや、すでに廃棄処分されている可能性が高いです。
長い歴史の中で、宗教という名の枠を超えて世界中で親しまれるイベント「クリスマス」。
世界平和を象徴するために作られたイベントとして、後世へ引き継いでいかなければならない。