
「世界遺産が好きです。」
そう言うと、たいてい返ってくるのが、
「じゃあ、世界遺産検定って受けたことある?」
という質問。
最初は、
「世界遺産の名前をたくさん覚える試験でしょ?」
くらいに考えていました。
しかし、世界遺産について調べていくと、どうも話はそんなに単純ではありません。
ピラミッド、古代都市、教会、寺院、城、遺跡、自然公園……。
一見するとバラバラに見える世界遺産ですが、その背景には必ず「人間の物語」があります。
なぜ、そこに都市をつくったのか。
なぜ、その場所を聖地にしたのか。
なぜ、巨大な建築物をつくったのか。
そして、なぜ現代の私たちは、それを「世界遺産」として残そうとしているのか。
こう考えると、世界遺産検定は単なる暗記試験ではありません。
人類の歴史を、世界地図の上で旅するような勉強なのです。
世界遺産検定って、そもそも何?
世界遺産検定は、世界遺産についての知識や理解を深めるための検定です。
世界遺産条約や登録基準、世界遺産の歴史、各地の文化・自然遺産など、幅広いテーマが登場します。
そして面白いのが、
「この世界遺産はどこの国でしょう?」
だけでは終わらないところ。
その世界遺産が、
なぜ価値があるのか?
というところまで考える必要があります。
つまり、
「名前を覚えました!」
だけでは世界遺産マスターへの道は険しい。
世界遺産の背景にある歴史や文化まで知るほど、どんどん面白くなっていきます。
世界遺産検定は「地理×歴史×文化」の全部盛り
世界遺産を勉強していると、いろいろな知識がつながっていきます。
例えば、ある古代都市を調べていると、
「この地域には、こんな民族が暮らしていたのか」
↓
「なぜここに都市ができたんだ?」
↓
「なるほど。交易路があったのか」
↓
「だから、この文化が広がったのか!」
という具合です。
気がつけば、世界史の授業を受けているような状態。
さらに地理も登場します。
「砂漠だから、この建築方法になったのか」
「海に囲まれているから、こういう文化が発達したのか」
「山岳地帯だから、独特の生活様式が生まれたのか」
世界遺産を一つ調べるだけで、地理・歴史・宗教・建築・民族・政治・経済まで芋づる式に出てきます。
世界遺産、情報量が多すぎます。
一個の遺跡から世界史が始まってしまう。
世界遺産を「観光地」だけで見ない
旅行で世界遺産を訪れると、
「すごい!」
「きれい!」
「写真撮ろう!」
となります。
もちろん、それでいいんです。
旅行なんて、まず楽しんだ者勝ち。
ただ、世界遺産検定を勉強してから訪れると、少し見方が変わります。
例えば古い寺院を見たとき、
「立派な建物だな」
だけではなく、
「この宗教は、当時の人々にとってどんな存在だったんだろう?」
と考えるようになります。
古代都市を歩けば、
「ここでどんな人たちが暮らしていたんだろう?」
城を見れば、
「なぜ、こんなに防御を重視したんだろう?」
という疑問が出てきます。
すると観光地が、突然「人間観察の現場」に変わります。
文化人類学から見ると、世界遺産はさらに面白い
文化人類学では、人間の暮らしや文化、社会のあり方を考えます。
そう考えると、世界遺産は最高の教材です。
例えば建築。
同じ「家」でも、地域によって形が違います。
暑い地域。
寒い地域。
雨が多い地域。
砂漠。
山岳地帯。
それぞれの環境に合わせて、人間は住居を工夫してきました。
つまり建物を見れば、
「この人たちは、どんな環境で、どんな暮らしをしていたのか?」
が見えてきます。
世界遺産は、巨大な文化人類学フィールドワークなのです。
ただし、現地に行かなくても勉強できる。
なんてコスパのいい旅でしょう。
世界遺産検定を勉強すると旅行が変わる
世界遺産検定の面白さは、資格そのものだけではありません。
個人的には、旅行前のワクワクが増えることが大きな魅力だと思います。
例えば海外旅行の前に、その土地の世界遺産について少し調べる。
すると、
「ここ、行ってみたい!」
という場所が増えていきます。
さらに現地へ行って、
「教科書に載っていた場所が目の前にある!」
となる。
これはなかなか感動します。
旅行前に勉強。
旅行中に実物を見る。
旅行後にもう一度調べる。
この繰り返しで、ただの観光が「学びの旅」に変わっていきます。
世界遺産検定は何級から始めればいい?
世界遺産検定には複数の級があります。
初めて挑戦するなら、まずは自分の知識量に合わせて無理のない級から始めるのがおすすめです。
「世界遺産が好きだけど、歴史はそんなに詳しくない」
という人なら、基礎から学べる級からスタート。
一方で、
「世界史が好き!」
「海外旅行が大好き!」
「世界遺産についてかなり知っている!」
という人なら、上位級を目指すのも面白いでしょう。
大切なのは、
いきなり難しい級に挑戦して燃え尽きないこと。
世界遺産の勉強は、マラソンです。
「モンサンミッシェル!」
「マチュ・ピチュ!」
「アンコール!」
とテンションを上げすぎると、途中で息切れします。
ゆっくり楽しみましょう。
世界遺産検定の勉強方法
まずは公式テキストを読む
最初から問題集を解きまくるより、
「世界遺産とは何なのか?」
という基本を理解したほうが、その後の勉強が楽になります。
世界遺産条約や登録基準など、最初は少し難しく感じるかもしれません。
でも、
「人類共通の宝物を、どうやって守っていくの?」
という話だと考えると、意外と面白くなってきます。
世界地図を横に置く
これ、かなりおすすめです。
世界遺産の名前だけ覚えていると、
「えーっと……どこの国だったっけ?」
となります。
地図と一緒に覚えると、
「この地域だから、この文化が発達したのか」
と理解しやすくなります。
世界遺産は、場所とセットで覚える。
これだけでも記憶に残りやすくなります。
写真を見る
世界遺産は、文章だけで覚えるより写真を見たほうが楽しいです。
教科書を読んで、
「はい、覚えました。」
で終わるより、
「うわ、この建物すごいな……」
と興味を持ったほうが記憶にも残ります。
世界遺産検定なのに、写真を眺めて旅行計画を始めてしまう。
これは世界遺産好きによくある症状です。
暗記が苦手でも大丈夫?
世界遺産の名前は、とにかく多い。
しかも、
「えっ、そんな名前覚えられません……」
という場所も出てきます。
そこでおすすめなのが、単純暗記ではなく物語で覚える方法。
例えば、
「なぜこの都市ができた?」
「誰が建てた?」
「何のために使われた?」
「どんな出来事があった?」
とストーリーでつなげます。
人間は、ただの数字や名前よりも物語のほうが覚えやすいもの。
世界遺産は幸い、物語だらけです。
王様。
宗教。
戦争。
交易。
民族移動。
植民地化。
独立。
そして、ときどき王様の「俺の権力を見てくれ!」という巨大建築。
人類史、なかなかドラマチックです。
世界遺産検定は「旅行好き」に向いている
こんな人には特におすすめです。
- 海外旅行が好き
- 世界史が好き
- 地理が好き
- 建築や芸術が好き
- 世界の文化に興味がある
- 世界遺産をもっと深く知りたい
- 旅行先で「なぜ?」を考えるのが好き
逆に、
「とにかく資格を一つ取りたい!」
という理由だけだと、少し退屈に感じるかもしれません。
世界遺産検定は、資格を取った瞬間に旅が終わるものではなく、取得してから世界が面白くなるタイプの資格だからです。
世界遺産を知ることは、人間を知ること
世界遺産を眺めていると、不思議なことに気づきます。
世界中の人々は、暮らしてきた場所も、宗教も、言葉も、歴史も違います。
それなのに、
「美しいものを残したい」
「大切な場所を守りたい」
「自分たちの歴史を後世に伝えたい」
という気持ちは共通しています。
巨大な遺跡も。
小さな村も。
美しい庭園も。
古い宗教施設も。
そこには必ず、人間の「生きた証」があります。
だから世界遺産を学ぶことは、世界の観光地を暗記することではありません。
人類がどんな場所で、どんな価値観を持って生きてきたのかを知ること。
そう考えると、世界遺産検定が少し違って見えてきませんか?
まとめ|世界遺産検定は「世界旅行の予習帳」
世界遺産検定は、資格取得を目指す人だけのものではありません。
世界史が好きな人。
海外旅行が好きな人。
建築や芸術が好きな人。
文化の違いを知るのが好きな人。
そんな人にとって、世界を知る入口になります。
そして勉強すればするほど、
「ここ行ってみたい。」
という場所が増えていきます。
問題集を開いていたはずなのに、気がついたら航空券を検索している。
世界遺産検定には、そんな危険な魅力があります。
世界遺産を一つ覚える。
その背景にある歴史を知る。
地図を見る。
文化を知る。
そして、いつか実際にその場所へ行ってみる。
知識が旅になり、旅がまた新しい知識を連れてくる。