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文学って何が面白いの?文化人類学から見る「人間の物語」

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文化人類学の視点から文学と人間の物語を考えるイラスト

「文学を読んで何の役に立つの?」

学生の頃、そんなことを思った人も多いのではないでしょうか。

私もそうでした。

数学なら計算できる。

英語なら外国人と話せる。

歴史ならテストに出る。

じゃあ文学は?

「主人公が悩んで、恋をして、最後に何か悟るやつ……?」

最初はそんなくらいの認識でした(笑)。

ところが、文化人類学という視点を持って文学を読んでみると、ちょっと景色が変わります。

文学って、実は人間観察の宝庫なんです。

今回は、難しい文学理論は横に置いておきます。

コーヒーでも飲みながら、

「昔の人って、何を考えて生きていたんだろう?」

くらいの気持ちで読んでみましょう。


文学は「昔の人間のSNS」なのかもしれない

突然ですが、SNSを眺めていると面白いですよね。

「今日は仕事で疲れた」

「恋人とケンカした」

「旅行に行ってきた!」

「人生について考えています」

人間って、昔から似たようなことをしています。

ただし、昔はXもInstagramもありません。

そこで登場するのが文学です。

小説や詩、日記、手紙などを読むと、

「昔の人も悩んでいたんだな」

とわかります。

恋愛で悩む。

お金で悩む。

家族で悩む。

仕事で悩む。

将来が不安になる。

そして、

「なんであの人は私の気持ちをわかってくれないの!」

と怒る。

……現代人とあまり変わりません(笑)。

スマートフォンがなかっただけ。

人間の「困ったなあ」は、かなり昔から続いているようです。


文化人類学で文学を読むと面白い

文化人類学は、簡単に言えば、

「人間は、なぜこんなふうに暮らしているんだろう?」

と考える学問です。

世界には、本当にいろいろな文化があります。

家族の形も違う。

結婚の考え方も違う。

食べ物も違う。

死者との向き合い方も違う。

「普通」だと思っていたことが、別の国へ行ったら全然普通ではなかった。

そんなことも珍しくありません。

この視点を文学に持ち込んでみます。

すると、

「主人公がなぜこんな行動をしたのか?」

だけではなく、

「この時代、この社会では、それが普通だったのでは?」

と考えられるようになります。

これがなかなか面白い。


例えば「家族」を文学から考えてみる

現代の日本では、

父親、母親、子ども。

そんな家族像を思い浮かべる人が多いでしょう。

でも、昔の文学を読むと、

「えっ、そんな家族の形があったの?」

と思うことがあります。

家制度。

身分。

結婚。

家業。

親子関係。

兄弟関係。

恋愛。

今とは違う社会のルールの中で、人々は生きていました。

だから昔の作品を読んでいて、

「なんでこの人、そんなことするの?」

と思ったら、ちょっと立ち止まってみる。

もしかすると、

その人が変なのではなく、私たちの「普通」が違うだけかもしれません。

ここに文化人類学の面白さがあります。


文学を読むと「自分の普通」が揺らぐ

文学の面白さは、知識が増えることだけではありません。

むしろ、

「あれ?自分が当たり前だと思っていたことって、本当に当たり前なのかな?」

と考えさせられるところにあります。

例えば、

「幸せな人生とは何か?」

と聞かれたらどうでしょう。

いい会社に入る。

お金を稼ぐ。

結婚する。

家を買う。

子どもを育てる。

もちろん、これも一つの人生です。

でも文学をたくさん読んでいると、

「いやいや、人生ってそんなに単純じゃないぞ」

と感じる作品に出会います。

旅をする人。

故郷を離れる人。

社会から距離を置く人。

貧しくても自由を選ぶ人。

家族とのつながりを大切にする人。

逆に、孤独を選ぶ人。

人間って、本当にバラバラです。

だから面白い。

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「悪い人」にも事情がある

文学を読んでいて、もう一つ面白いのがこれ。

最初は、

「この人、嫌なやつだな!」

と思っていた登場人物が、物語を読み進めると、

「あれ……ちょっと待てよ」

となることがあります。

さらに読んでいく。

「そういう事情があったのか……」

となる。

そして最後には、

「いや、でも悪いことは悪いよな」

となる(笑)。

この「簡単には人を判断できない」という感覚は、文化人類学にもつながります。

自分と違う文化の人を見たとき、

「変な人」

と決めつけるのは簡単です。

でも、

「なぜ、この人たちはこうするんだろう?」

と考えてみる。

すると、その背景に歴史や環境、宗教、家族、経済、地域社会などが見えてきます。

文学も同じ。

登場人物の人生を追いかけることで、

人間を一枚の写真ではなく、長い動画として見る練習

ができます。


海外文学は「世界旅行」でもある

私は海外文学が好きです。

なぜなら、本を開くだけで世界旅行ができるから。

飛行機のチケットはいりません。

パスポートもいりません。

荷物もいりません。

何なら寝転がったまま行けます(笑)。

ロシア文学を読めば、ロシアの社会や人間観に触れられる。

フランス文学を読めば、フランスの歴史や社会を考えるきっかけになる。

アメリカ文学を読めば、アメリカ社会の価値観が見えてくる。

もちろん、一冊の小説だけでその国の文化を理解できるわけではありません。

でも、

「この社会では、人間についてこんなふうに考えるんだ」

という入口にはなります。

それだけでも十分面白い。

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文学初心者は「名作を全部読まなくていい」

ここは声を大にして言いたい。

文学初心者だからといって、

「まず古典文学を100冊読破!」

なんてしなくて大丈夫です。

そんなことをしたら、本を開く前に心が閉店します(笑)。

まずは、

「タイトルが気になる」

くらいで選んでいいと思います。

恋愛小説が好きなら恋愛文学。

冒険が好きなら冒険小説。

ミステリーが好きならミステリー。

SFが好きならSF。

児童文学でもいい。

童話でもいい。

漫画でもいい。

入口は何でも構いません。

大切なのは、

「文学を勉強する」

ではなく、

「人間を覗いてみる」

くらいの感覚です。


本を読むと、自分の人生まで少し違って見える

文学を読んでいると、ときどき不思議なことがあります。

物語の中の人物の悩みを読んでいたはずなのに、

「これ、俺も似たようなことで悩んでない?」

となる。

他人の人生を読んでいたはずなのに、自分の人生が鏡に映っているように感じる。

これが文学のすごいところかもしれません。

本の中にいるのは、知らない誰か。

でも悩みや喜び、嫉妬、孤独、恋、希望。

どこか自分とつながっている。

時代も国も違うのに、

「人間って、意外と昔から人間なんだな」

と思えてきます。


文化人類学×文学は「人間を知る旅」

文化人類学を学ぶと、

「世界にはいろいろな人間の生き方がある」

ことが見えてきます。

文学を読むと、

「一人の人間の人生には、こんなにも複雑な物語がある」

ことが見えてきます。

この二つを組み合わせると、

世界を旅しながら、人間の心を覗いているような感覚

になります。

実際に海外へ行かなくてもいい。

図書館に行って、一冊の本を手に取る。

それだけで知らない時代、知らない国、知らない人生へ出発できます。

しかも交通費は数百円。

図書館なら無料。

コスパが良すぎます。

 


まとめ|文学は「人間を知るための旅」

文学は、難しい言葉を覚えるためだけのものではありません。

そこには、

恋愛があります。

家族があります。

友情があります。

孤独があります。

怒りがあります。

嫉妬があります。

そして、

「どうやって生きよう?」

という、人間が昔から抱えてきた問いがあります。

文化人類学の視点を持って文学を読むと、

「この主人公はなぜこんな行動をするんだろう?」

という疑問から、

「この時代、この社会では何が普通だったんだろう?」

という問いへ広がっていきます。

そして最後には、

「じゃあ、今の自分が当たり前だと思っていることは?」

と、自分自身に戻ってくる。

文学は、遠い世界へ連れていってくれる本でありながら、最後には自分のところへ帰ってくる旅なのかもしれません。

さて、今日はどの本を開きましょうか。

難しい名作でなくても大丈夫。

本棚の隅で、

「そろそろ俺の出番じゃない?」

と待っている一冊があるかもしれません。

まずは、その本を開いてみましょう。

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