ボゼまつりとは?
鹿児島県・トカラ列島の悪石島で行われる伝統行事が「ボゼまつり」です。
毎年、**旧暦の7月16日(またはその前夜)**に登場する「ボゼ」と呼ばれる仮面神を中心とした祭りで、先祖供養と悪霊払いの意味を持つとされています。
2015年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2018年にはユネスコ無形文化遺産「来訪神:仮面・仮装の神々」の構成行事のひとつに登録されました。
ボゼの姿と役割
独特の仮面と装い
ボゼは、大きな耳・目・口を持つ仮面をかぶり、ビロウの葉で全身を覆った姿をしています。南方的で異形なその姿は、初めて見る人に強烈な印象を与えます。
ボゼマラと赤土のご利益
ボゼが手にするのは「ボゼマラ」と呼ばれる棒。
その先に付いた赤土を女性や子どもにつけることで、
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無病息災
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厄除け
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女性には良縁・子宝のご利益
があると信じられています。
祭りの流れ
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お盆の最終日に、太鼓や歌とともにボゼが登場
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会場の人々を追いかけ回し、赤土を塗りつける
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仮面は土に還され、島民たちの宴で締めくくられる
その迫力と神秘性から「日本三大奇祭」のひとつに数えられることもあり、まさに非日常を体感できる祭りです。
開催情報
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開催日:毎年旧暦の7月16日(またはその前夜)
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会場:鹿児島県十島村・悪石島(島内の小中学校の校庭など)
アクセス方法
悪石島へは本土から簡単には行けません。
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船便:「フェリーとしま2」で鹿児島港から約10時間(週2便程度)
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注意点:島内にはコンビニ・飲食店・レンタカーはなく、売店も営業時間が限られています
秘境感のあるアクセスも、この祭りを特別な体験にしています。
ボゼまつりを訪れる際のポイント
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船の運航状況は天候に左右されやすい
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宿泊施設は限られるため早めの予約が必要
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島には温泉や豊かな自然もあり、あわせて楽しむことが可能
まとめ
悪石島のボゼまつりは、
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ユネスコ無形文化遺産に登録された貴重な行事
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赤土を塗られることで無病息災や良縁のご利益
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秘境でしか体験できない、迫力と神秘に満ちた祭り
観光として訪れるにはアクセスが大変ですが、その分だけ強烈な体験を与えてくれる、まさに「奇祭」と呼ぶにふさわしい行事です。