はじめに
エコグッズのヒット条件の一つに「意外性・驚き」があるが、最近は素材自体にインパクトがある商品が登場している。
特にその傾向は、ゴミや廃材を使ったリユース・リノベージョングッズに顕著だ。
中でも僕が注目しているのが、ミチコーポレーションが展開する「メード イン ワイルド」シリーズ。
ノート、フォトアルバム、メモ帳など、さまざまな紙商品があり、それらの原料はすべて象の糞なのだ。
象の糞を原料に
このシリーズはスリランカのNGOと共同で開発されている。
象の糞を原料にすべて手作業で製造されており、化学薬品や染料などは一切使用していない。
この商品は環境に優しいばかりではなく、スリランカ側にもメリットがある。
スリランカのジャングルは環境破壊が進み、交通事故などで親を失う小象が後を絶たない。象を保護するための孤児院が設立されているが、「メード イン ワイルド」の売り上げの一部はそうした施設の運営費に充てられているという。
クルマのシートベルトを再利用
フィンランドのとあるメーカーが開発しているのは、廃棄されたクルマのシートベルトをリユースしたショルダーバッグ。
シートベルトは運転手や同乗者の安全を守るためのものなので、丈夫さには定評がある。
継ぎはぎされたシートベルトは中古パーツであるため、織り目や色合いが微妙に異なる。その独特な見た目が、ファッションアイテムとして受けている。
ゴミとして捨てられてしまうものが、魅力的なデザインプロダクトに生まれ変わる。若い世代のエコ意識を高め、裾野を広げるためにも有意義な取り組みといえるのではないか。
国内でも進むリユース商品開発
文房具大手「キングジム」では、革製品の製造工程で出た廃材を細かくチップ状に粉砕し、特殊加工したリサイクルレザーを作成。
このレザーを使用し、パスケースやカードホルダー、トレーなどを製造している。
福岡の「エコデ・プロジェクト」は、インテリア資材会社から木工品の端材を有効活用。箸やウッドダンベルといった商品を製造している。
飲料界大手「伊藤園」は、ゴム・フェルト製品大手の「日本ケミフェルト」と共同で、緑茶と緑茶殻を配合した靴の中敷き「カテキン快速」を開発した。
茶殻には抗菌・消臭効果があることが知られており、さらに茶殻を混入することで心地いい緑茶の香りが得られるようになった。
まとめ
ユーザーに特別な努力を強いるようなエコグッズは継続して使いにくい。
特に身近な生活雑貨は、楽しみながら使えるものを選びたい。針の要らないホチキスや、象の排泄物でできたノートなど、珍しさから商品を選んでもいいだろう。
それが環境に優しければ、満足感も高まる。
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