はじめに
価格が少し高めの男性用腕時計の売れ行きが好調だ。かつては、「低下価格で正確、長持ち」を強みとした国産メーカーは、持ち前の技術力で「ちょっと奮発すれば手が届く一品」の販売に力を入れている。
時間に縛られるのは嫌なので、僕は時計を付けない派ですが、時計を付けていると知的な感じがします。
単価上昇
国内の腕時計市場ではここ数年、平均単価が上昇中だ。日本時計協会によると、日本メーカーの完成品の国内出荷金額は、2009年の641億円が、2013年には897億円と4割ほど増えた。一方、同期間の出荷数は630万個から740万個で、伸び率は2割弱にとどまった。価格が高めの商品が売れているためだ。
大手時計メーカーも10年前にはよく売れたのは5万円台のものだが、今は10~30万円に移っている。「自分へのご褒美」として高額腕時計を買う人が増えたほか、円安の恩恵もあり、外国人旅行者が日本製をお土産として買い求めていることも、金額押し上げの一因とされる。
納得の一本
機能が成熟すると価格競争に陥りやすいテレビなどの家電と違い、腕時計は、「コモディティー(日用品)化しにくい商品」だ。時刻を知る機能面に加え、宝飾品のように持ち主を満足させる「ステータスシンボル」の一面を持つからだ。このため、アクセサリーなどを身に付けない男性には、『自分らしさ』を表せる数少ないアイテムの一つとして、高価格品を求める人が増えているようだ。
最近の注目は、位置情報をもとに正確な時刻に修正できるGPS(全地球測位システム)機能だ。海外に出かけても、ボタン一つで簡単に現地時間に合わせられる。まさに、世界一周旅行者やバックパッカーにはおすすめだ!
どこでも正確
カシオ計算機は2014年10月、高級ブランド「オシアナス」から「OCW-G1000」を発売した。衛生から持ち主の位置情報と、正確な時刻情報を取り込めるGPSと、標準電波の受信機能を搭載した。障害物のない屋外でも受信できる標準電波を採り入れることで、どこにいても正確な時刻を表示できるようにした。
セイコーウオッチは、ソーラー電池で動くGPS腕時計「セイコー アストロンSBXB003」を2014年9月に発売した。電池やGPS部品を小型化し、本体体積を2012年発売の初代モデルより約3割小さくした。光の反射を99%カットする独自技術のガラスで、文字盤を見やすくしてある。
まとめ
いかに迅速に正確な時刻を表示できるか。そこにこだわることも重要だが、スマホを時計代わりとして日常の生活を過ごす人々にとってはあまり無縁のことなのかもしれない。少し高い腕時計でも20万円前後する。働いた給料をどこまで投資できるかが男の魅力といえる。